2/19 OA楽曲とコメント

スメタナカルテット

A.ドヴォルザーク作曲:弦楽四重奏曲「アメリカ」第1楽章
演奏:スメタナ弦楽四重奏団

良くお国ものと言って自国の作品を演奏する時他国の人が演奏するより、より本物だとする意見が多いようです。
その理屈で言えばこの演奏は正にお国もの十八番です。しかし、例えばアメリカの団体の演奏とどこが違うんでしょうか?それは、個性の異なる人達の演奏ですから演奏に違いが有るのは当然です。しかし、彼らスメタナ弦楽四重奏団の演奏は本当にチェコ的なんでしょうか?僕はこの演奏を聴いてスメタナ弦楽四重奏団というのはローカル的と言うよりも国際的な折り目正しい演奏です。

カールシューリヒト

R.ワーグナー作曲:ニュルンベルクのマイスタージンガー「第3幕への前奏曲」
演奏:カール・シューリヒト指揮

ドイツ物を振らせると素晴らしい指揮者のシューリヒトはその実力の割には人気が有りません。玄人好みとか言われてます。彼の指揮したヨハン・シュトラウスは物凄く面白いです。正に玄人好みですね。

2/12 OA楽曲とコメント

ジュリアード

G.ガーシュイン作曲:ララバイ
演奏:ジュリアード弦楽四重奏団

ジュリアード弦楽四重奏団は世界的に有名なニューヨークのジュリアード音楽院の教授達で結成されたカルテットです。
当時まだバリバリの現代音楽であったシェーンベルクとかバルトークをデビュー最初に録音してその正確な演奏にみんなビックリして一躍この団体が有名になりました。それ以来ジュリアードと言えばバルトークという事が定着しました。
ジュリアードSQの特徴は音の出だしが正確で音程も正確なので演奏が透明な印象を与えます。

ブルーノワルター

W.A.モーツァルト作曲:交響曲第40番ト短調第1楽章
演奏:ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団

モーツァルトと言えばト短調、と良く言われる様に決して多くは無いのですがどれもが傑作です。交響曲ではこの40番と25番です。
ワルターはモーツァルトを得意にしており取分けこの曲は十八番と言われております。ワルターはトスカニーニなどの20世紀の大指揮者の中で唯一ステレオに録音しました。CBSが心臓病を患ってビバリーヒルズで静養していたワルターを引っ張り出すためハリウッドにワルター専用オーケストラを結成して成功しました。おかげで現在素晴らしい音楽を聴く事が出来ます。

2/5 OA楽曲とコメント

バリリカルテット
W.A.モーツァルト作曲:クラリネット5重奏曲イ長調より第3楽章
演奏:バリリ弦楽四重奏団その他

モーツァルトは当時音楽界に登場した新しい木管楽器にクラリネットが気に入り協奏曲や室内楽曲を書き残しました。そのどれもが名曲の誉れ高いものです。
バリリSQは当時19歳でウイーンフィルのコンサートマスタになったワルター・バリリを第一ヴァイオリンに結成された全員ウイーンフィルメンバーのSQです。バリリは腕の故障で楽団を去るまでの短い間、主にオーケストラと室内楽の分野で非常に人気が有りました。このカルテットは良いも悪いもバリリのヴァイオリンが中心の団体で、バリリは癖の少ないヴァイオリ二ストでしたが、彼のカルテットと言っても良いでしょう。
モーツァルトのクラリネット5重奏曲の第3楽章はメヌエットで書かれていますがトリオの部分が2つ有ってその、この曲中でも最も美しい部分ではないかと言われている部分です。ところがこの部分にはクラリネットが登場せず弦楽四重奏のみで演奏されるのは皮肉な事です。

Ayasaさん
百日紅
演奏:Ayasa

ロック ヴァイオリ二ストAyasaさんの演奏です。この番組はチェロとりわけクラシックを中心にプログラムを組んでおりますが、それは僕があまりクラシック分野以外の知識、音楽体験が少ないからで有って、決してクラシック音楽以外を認めないとか、という訳では有りません。
今日のAyasaさんの曲や演奏を聴くと本当に素晴らしいと思いますね。これから少しづつでもロックを聴くようにしたいと思います。

1/29 OA楽曲とコメント

ブッシュカルテット

L.V.ベートーベン作曲:弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調より
演奏:ブッシュ弦楽四重奏団

ブッシュSQは正統派ドイツの弦楽四重奏団の最後の団体ではないかと思います。ブッシュSQの特徴はその時代の前後にウイーンコンチェルトハウス四重奏団とかバリリ四重奏団のようにファーストバイオリンの強い個性が全体を引っ張って行くと言うスタイルじゃなく4人が均等に自分の個性を打ち出しながら全体としても纏まってると言うスタイルです。その後このスタイルはアメリカに移りブダペストSQやジュリアードSQなどに引き継がれていきます。

Ayasaさん

Ayasa演奏
音楽はお好き?

Ayasaさんは子供の頃からヴァイオリンを弾いて音大を卒業して好きなポピュラー音楽の世界に行かれました。
クラシック出身でポピュラーの音楽家、特にヴァイオリンは少ないです。ポピュラーでも彼女が演奏する分野はロックでピアノの様に叩く楽器でなく嫋々とメロディを奏でるのが得意のヴァイオリンでロックというのは新しい試みとも言えそうです。CDも出しておられますがAyasaさんの音楽はやはりライブで聴いて頂きたいですね。

1/22 OA楽曲とコメント

シューベルトの死と乙女

F.シューベルト作曲:弦楽四重奏曲「死と乙女」第2楽章
演奏:ウイーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団

シューベルトのカルテットでの最高傑作である「死と乙女」です。そのネーミングの由来である歌曲「死と乙女」を第2楽章のテーマにした変奏曲として挿入しています。シューベルトは変奏曲を沢山書いていてそのどれもが素晴らしいです。ピアノ五重奏曲「鱒」の3楽章に歌曲「鱒」を変奏曲として使っています。
ウイーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団はアントン・カンパーを第1ヴァイオリンとして長い間活躍した団体です。カンパーのウイーン風の歌い回しがたまらないと言う熱烈なファンを持っていました。しかし、このカルテットを支えていたのはチェロのフランツ・クヴァルダです。オーケストラでも、その縮小版カルテットでもチェロの役割は重要です。カルテットで僕が素晴らしい奏者だと思うのは3人。フランツ・クヴァルダ、ミッシャ・シュナイダー(ブダペストSQ)、デイヴィッド・ソイヤー(グアルネリSQ)です。この3人は本当に素晴らしいです。

メンゲルベルク

チャイコフスキー作曲:交響曲第5番 第4楽章
演奏:W.メンゲルベルク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

当時の三大名指揮者の1人、メンゲルベルクが得意にしていた曲はモーツァルトのような爽やかな古典ものでは無く粘着性溢れるチャイコフスキーです。思い切りデフォルメしてリタルランドしたりヴァイオリンにポルタメント付けたりして楽譜に忠実というよりチャイコフスキーの意図した事に忠実だったと言えます。

1/15 OA楽曲とコメント

ブダペスト

L.V.ベートーベン作曲:弦楽四重奏曲第11番セリオーソ
演奏:ブダペスト弦楽四重奏団

僕が中学生の時生まれて最初に聴いた弦楽四重奏曲がこのブダペスト弦楽四重奏団の演奏によるラズモフスキーの3番とセリオーソ裏表になったレコードです。小学校の音楽の授業で先生が運命とか田園のレコードをかけてくれてクラシック音楽良いな~と思ってた頃です。
親父がアメリカに視察旅行に行って人に頼まれて買って来たレコードがどういう訳か長い間家に有ったので「聴いてもええか?」と聞くと「ええよ」と言ってくれたので片っ端から聴きました。その中からこのブダペストのレコードは渋かったですね。ファーストヴァイオリンのロイスマンの音は決して美音じゃないけれど、何か子供心迫るものが有りました。まだ、レコードを自分で買う程の小遣いを貰ってなかったので次のレコードは買う事が出来るなかったですが、16:00頃のNHK FMを良く聴いてました。
最近上手いカルテットがどんどん出てきていますがこのブダペストのセリオーソは未だに心を揺さぶります。

ワインガルトナー

L.V.ベートーベン作曲:交響曲第九番ニ短調 第4楽章
演奏:F.ワインガルトナー指揮、ウイーンフィルハーモニー管弦楽団

初めてベートーベンの交響曲の全曲をレコードにしたのがこのワインガルトナーです。彼は当時慣習としてこう演奏するんだ、と言う事、例えばフレージングとかリタルランド等を根本から考見直し演奏し、過去作り上げられたベートーベンイメージを改めたと言う功績が有ります。
演奏は端正でスッキリとしていて物足らないと言う人もいますが、ベートーベンの正しい解釈だ思います。

1/8 OA楽曲とコメント

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L.V.ベートーベン作曲弦楽四重奏曲 第14番嬰ハ短調より
演奏:カペー弦楽四重奏団

カペーはフランスのヴァイオリンの巨匠で多くの実力のあるヴァイオリ二ストを世に出しただけでなく、自身も名人級のヴァイオリ二ストでしたがソロ活動より室内楽とりわけ弦楽四重奏を愛し、この不朽のカルテットを作りました。フランスのカルテットはメロディラインが明確な曲やフランスものを得意にしてるのが通常なのですがベートーベンが1番人気が有りました。それは、ベートーベン、特に後期の作品は縦のラインをしっかりとハーモニーとして演奏するように書かれていて、普通特にドイツ人の団体はそうするんですが、余計に構成がきっちりとし過ぎて窮屈と言うか余裕が感じられなく、つまらない演奏に成りがちなんです。
しかし、カペーは全体の構成感ががっちりとしながらも第1ヴァイオリンが割と自由に歌い縦ラインからはみ出たりしたりポルタメントが多用されたりしてます。が、それが又何ともチャーミングなんですね。
現在でも彼らの演奏は古いと感じさせません。

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C.M.F.ウエーバー作曲歌劇オイリアンテ序曲
演奏:W.フルトヴェングラー指揮ウイーン・フィルハーモニック管弦楽団

フルトヴェングラーは日本ではひと昔前まで非常に人気のあった指揮者でした。同じ曲で演奏年月がそう変わらない、同時期の演奏でも非常に違う演奏をする指揮者でした。ファンの間では同じベートーベンの運命でもオーケストラ演奏時期でどれが良いとか論争されてました。一般にはレコードのための録音より生演奏に精彩をはなつ傾向に有ります。
かれの指揮は非常に分かりにくくアンサンブルは乱れたりよくするんですが、それが迫力となって良いところも有ります。「振ると面喰らう」(ふるとめんくらう)とも言われました。彼とトスカニーニ、ワルター、メンゲルベルクと戦前の4大指揮者とも言われました。
以上

1/1 OA楽曲とコメント

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J.ハイドン作曲:弦楽四重奏曲「ひばり」より第4楽章
演奏:フロンザリーSQ

エジソンが蝋管による録音装置を発明してから音楽の世界も大きく変化しました。
フロンザリーSQの前にも素晴らしいSQが多く有ったのですが録音が無く人の評判、印象が伝えられそれによって想像するしか無かったのが演奏そのものが何年か後でも聴くことが出来るようになりました。これによって音楽はマス化しました。フロンザリーSQは丁度その頃現れたアメリカのSQでその端正な演奏は実物を聴く以前にレコードによって聴くことが出来、その聴取者が住むエリアに来演するときのチケット販売にも影響するようになりました。
演奏自体も素晴らしいものがありますがレコードの力が彼らの人気を増大させたと言っても過言では無いと思います。

L.V.ベートーベン作曲交響曲第7番イ長調
演奏:A.トスカニーニ指揮NBC交響楽団

トスカニーニはミラノスカラ座の指揮者だったのですがナチスがヨーロッパを侵食しイタリアもそういう風潮が広がって来たのを嫌がってアメリカに渡りました。スカラ座時代からすでに人気絶頂だった彼はニューヨークフィルの指揮者になりましたが他にワルターとかメンゲルベルクなども同楽団の指揮をしており、そして芸風がかなり自分と違っていることもあって必ずしも快適では無かったようです。それに目を付けたのが3大放送局の一つでsるNBCです。
演奏会もやりますが放送するための演奏をトスカニーニに求めました。その代わり彼の専属オーケストラを世界中の名人奏者達を最高の条件で集めたスーパーオーケストラを作りました。彼は暗譜が出来なくなったと言う理由で引退するまでこのオーケストラを世界最高のオーケストラとして訓練し続けました。トスカニーニが引退した後NBCはオーケストラを解散するのですが彼を尊敬する団員達は自主的にオーケストラを経営して名前をシンフォニー・オブ・ジ・エアーと変え指揮者を立てずに交響曲の演奏を行いました。
トスカニーニがミラノで亡くなった時にはイタリア政府は彼を国葬でもって称えました。
彼の演奏はこの曲特徴がよく出ていますが、曖昧なところは一切無く、爆発するエネルギー感と緊張感が全般に漲っており、聴いてる人をグイグイ音楽に引込み掴んで離さない、と言うものでした。

12/25 OA楽曲とコメント

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A.ドヴォルザーク作曲:「家路」新世界交響曲第2楽章
A.ワイラースタインvc

ワイラースタインも音楽一家に生まれたんですね。お父さんはクリーブランド弦楽四重奏団の第1vn弾いていた人でこの楽団を支えてた人です。ワイラースタインのチェロは女性とは思えぬ強さがありますね~。女性チェリストと男性チェリストの違いはボーイングに有るのでは無いでしょうか?女性は何故か手首が柔らかく、それが肉体的特徴か、女性的であろうとする意識からそうなるのか僕はよく分かりませんが右手首の柔らかさが音楽をより滑らかにしている様に思います。
しかし、ワイラースタインは柔らかさの中に力強さがみなぎっています。
今日の曲は家路という穏やかな曲でワイラースタインの力強さを発揮する場面がありませんが素朴さが良く出ているように思います。

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F.メンデルスゾーン作曲:交響曲第4番イタリア
演奏:L.バーンスタイン指揮ニューヨークフィルハーモニー管弦楽団

メンデルスゾーンがイタリア旅行をして、そのイメージを交響曲にしたものです。南国のイタリアそのものの明るく溌剌とした躍動的な曲です。
それをその当時新進気鋭のバーンスタインが指揮して誠に前向きで躍動的な演奏です。バーンスタインはブルーノ・ワルターの元で副指揮者を勤めていたのですが、ある日ワルターが持病の心臓病で演奏会の当日倒れてしまったので急遽バーンスタインに仕事がまわって来たのです。日頃からプログラムの曲を勉強してないととても即席では指揮出来ません。しかし、バーンスタインはちゃんと勉強していて見事に演奏しました。いや、ワルター以上だという人さえ大勢いました。ワルターは心臓病を治療するためニューヨークフィルハーモニー管弦楽団を引退しバーンスタインに文字通りバトンタッチしたのです。

12/18 OA楽曲とコメント

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A.ヒナステラ作曲:パンペーナ第2番。演奏:ソル・ガベッタvc

ヒナステラは戦前から戦後に掛けて活躍したアルゼンチンの作曲家です。ブラジルのヴィラロボス、メキシコのポンセ等と並ぶラテンアメリカを代表する作曲家です。
パンペーナ第2番は第1番がヴァイオリンピアノの為に書かれており対をなす作品です。
演奏しているソル・ガベッタはアルゼンチン生まれでお国の作曲家です。彼女がドイツモノやフランスものを弾く時はあくまでも正統派の演奏をするのですがお国のモノはやはり気合が入ってますね。

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B.スメタナ作曲歌劇「売られた花嫁」より道化師の踊り
演奏:ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団

売られた花嫁というオペラはあまり演奏される事が有りません。言葉がチェコ語で書かれてる為に歌える人が少ないんです。ドヴォルザークにも「ルサルカ」というとても美しいロマンティックなオペラが有るんですがこれも残念ながら演奏機会はとても少ないです。
しかし、このオペラは素晴らしく楽しい序曲を持っている為に題名はよく知られています。序曲の次によく演奏されるのがこの道化師の踊りです。道化師がチェコ民謡風の音楽に合わせて踊る場面でこの曲使われます。とても速い曲でオーケストラで一糸乱れずに演奏するのは難しいんですがフィラデルフィア管弦楽団は流石に名人プレーヤーを集めオーケストラだけあって見事なアンサンブルです。