月別アーカイブ: 2014年7月

7/27 OA楽曲とコメント

歌の翼に・シシリア―ノ

一曲目:メンデルスゾーン;歌の翼に
演奏:徳永兼一郎Vc、藤井一興Pf

シューベルトのもつ歌心とベートーベン以前の古典派作曲家の持つ形式美を融合させた作曲家がメンデルスゾーンでは無いかと思います。かなり厳格な様式に則って素晴らしいメロディーが書かれています。この曲は元々歌曲で25歳の時の作品です。その流れる様な旋律故様々な楽器にアレンジされて演奏されます。
今回の演奏は全顔同様当時NHK交響楽団の主席チェリストだった徳永兼一郎さんの演奏で楽器はモンタニャーナです。モンタニャーナは1683年に生まれ1756年に亡くなりましたのでストラディヴァリより少し年下でヴェニスで活躍した人です。形が他の作家とは違う独特の横に大きく低音が良く鳴るといわれています。

ベートーベン ラズモフスキー第3番

二曲目:ベートーベン;弦楽四重奏曲第9番ハ長調”ラズモフスキー第3番”
演奏:ブダペスト弦楽四重奏団

ベートーベンがハイドンの確立した弦楽四重奏のスタイルを勉強し、そのスタイルで書いたのが作品16の6曲のカルテットです。弦楽四重奏曲の書き方をマスターした彼は彼の独自性を入れた新しいスタイルを模索してゆきます。その答えがこの作品番号59の3曲のラズモフスキー四重奏です。作品16では主にファーストヴァイオリンが他の3人の援護の下に主役をはっていたのに対し4本の楽器が均等な役割を演じる様に書かれています。作品16では練習の時に2ndヴァイオリンが抜けても何とかなる感じなんですが、作品59ではそれは出来ません。
演奏しているブダペスト弦楽四重奏団は古い弦楽四重奏団のスタイルに決別し音色の綺麗さを追求するよりも音楽の真実を語るスタイルの演奏で同じ頃活躍したスメタナ弦楽四重奏団などよりも好きです。因みに僕が最初に聴いたレコードはこれなんです。親父がアメリカ旅行した時に日本の友人から頼まれて買って来たレコードの一つで、どう言う事情が有ったか知りませんが、中々取りに来ないので聴いてえしまったのです。クラシック音楽入門とか言って新世界だとか未完成だとか言いますが僕のクラシック音楽入門はまさにこの曲なんです。この2楽章のチェロのピッチカートをこれだけ男性的に弾くチェリストはブダペスト弦楽四重奏団のチェリスト、ミッシャ・シュナイダー以外にいは居ないでしょうね。僕はいつかこう言うチェロを弾きたいとずーっと思っていました。

7/20 OA楽曲とコメント

歌の翼に・シシリア―ノ

一曲目:フォーレ:シシリアーノ
演奏:徳永兼一郎Vc、藤井一興pf

フォーレがチェロの為に書いたオリジナル曲です。後に自作のオペラ「ペレアスとメリザンド」にこの曲をフルート独奏で挿入しています。よほど気に入った曲なんでしょうね。
今回この曲を選曲したのは番組のテーマが高いチェロと言う事でストラディバリを紹介しました。このCDはストラディヴァリ、アマティー、ゴッフリラー、モンタニャーナというチェロの4大名器を徳永兼一郎さんが1人で弾き比べるというCD何です。本当は全部並べて聴き比べて頂くとおもしろいのですが時間の関係で今回はストラディヴァリの「バス・オブ・スペイン」というチェロを聴いて頂きました。
ストラディヴァリは1644に生まれ1737に亡くなりました。ニコロ・アマティーの弟子でクレモナに工房を持っておりました。初期の作品は師匠アマティーの形を踏襲しておりましたが、1685年頃からその作風を離れ独自の形を作ったと言われています。彼の作品は93歳で亡くなるまで進化し続け晩年の作品が最も良いとされています。

ベートーベン 交響曲第9番

二曲目:ベートーベン:交響曲第9番ニ短調”合唱”第4楽章
ティーレマン指揮ウイーンフィルハーモニー管弦楽団

ベートーベンは交響曲の分野でも様々な革新を行いました。この交響曲も4楽章に独唱と合唱を入れたと言う点では誰もやった事がない事をやりました。歌が持つ音色、人間の叫び、を表現しようとしたのでは無いでしょうか。ベートーベンが人気が有る理由の一つはその終わり方に有ると思います。大体どの曲もハッピーエンドで終わる様に書いており僕もそう言う終わり方が気に入ってます。

7/13 OA楽曲とコメント

ベートーベン チェロソナタ イ短調

一曲目:L.van.ベートーベン作曲 チェロソナタ イ長調 作品番号69
バッハの6曲の無伴奏チェロ組曲を「旧約聖書」と言い、ベートーベンが書いた5曲のチェロとピアノのソナタを「新約聖書」と言われています。他の作曲家も例えばメンデルスゾーンも2曲書いてますし、ブラームスも素晴らしいソナタを2曲書いてます。と言う様に皆書いてるんですが6曲、5曲とまとまって書かれたのは他にはありません。
ベートーベンが書いた5曲のソナタのうち1番と2番は作品番号5で若い頃の作品です。そして、チェロソナタと言うもののピアノの方が活躍してチェロは伴奏の様な書き方をしています。又、4番と5番のソナタは晩年の作品でどちらもメロディックでなく難解です。その中間に有って唯一彼の音楽が力強さと推進力、美しいメロディーを持って書かれた作品がこの曲です。ベートーベンの5つのソナタ中最も人気の有るのもこの曲です。チェロとピアノが対等で丁々発止と渡り合う場面や寄り添って演奏したり本当の意味でのチェロソナタはこの曲から始まったと言っても良いのでは無いでしょうか?
演奏のアントニオ メネセスはブラジルの生まれでヤニグロについてチェロを勉強した人です。ピアノのメナヘム プレスラーは有名なボーザール トリオの初代メンバーでヴァイオリンのダニエル ギレー(最強のオーケストラ、トスカニーニのNBC交響楽団のコンサートマスターだった。)もチェロのバーナード グリーンハウスも亡くなっても1人頑張っている室内楽ピアニストです。初代のボーザール トリオの演奏を前の大阪フェスティバルホールの一番天井近くの席で聴き感銘を受けた記憶が生々しく残って居ます

Eric Clapton

二曲目:エリック・クラプトン
Change The World

二週連続でゲスト出演してくださった、鈴木亜久里さんのリクエスト曲。
先週のラリー・カールトンもそうでしたが、この曲もレース前に平常心になれそうですね。
エリック・クラプトンが歌っているのが有名ですが、
オリジナルは女性カントリー歌手・ワイノナ・ジャッドのものだそうです。
大人の深みのあるボーカルと美しいメロディが耳に残りますね。
ギターを持ったらいつかは弾いてみたい曲!だと思いませんか?

7/6 OA楽曲とコメント

夕星の歌

一曲目:R.ワーグナー作曲 夕星の歌
演奏:アルバン ゲルハルトVc セシル リカドPf

歌劇 タンホイザーの中で歌われる美しいアリアです。
この歌劇のストーリーは大体こういったものです。
主人公のタンホイザーが彼を愛するエリザベートを置いてセックスの楽天ヴェヌスブルグに行ってしまいます。嘆き悲しむエリザベート。そしてキリスト教の教えに背いた事で神の許しが降りないで帰って来れないので有れば自分が犠牲になって許しを乞う、と思いつめます。そこでタンホイザーの親友のヴォルフラムが夕星を見ながらこの曲を歌います。
エリザベートは自殺しそこに帰ってきたタンホイザーは自分の罪深さを思い知ります。
まあ、こう言う話です。
この曲をチェロの中興の祖パウ カザルスは好んで弾きました。しかし、歌そのものがバリトンの音域で書かれていてチェロで一番鳴りにくい中音が中心になっている為か、最近では余り演奏されません。放送では前半のレシタティーボの部分をカットして夕星の歌のメロディーからお掛けしました。

ラリー・カールトン

二曲目:Larry Carlton /Room335
今回のゲスト、鈴木亜久里さんがレース前に聴いていた曲。
レースの前は、気持ちが落ち着くような平常心になれる曲がいいそうです。
ラリー・カールトンはアメリカの、ジャズ・フュージョンのギタリスト。
ギターの音が心地よく、たしかに心が落ち着きます。
テンションが上がりすぎるわけでもなく、眠くなるわけでもなく…。
リラックスが必要な時に聴きたい一曲ですね。

6/29 OA楽曲とコメント

0701

一曲目:モーツアルト作曲 弦楽三重奏曲 ディヴェルティメント
モーツアルトは弦楽四重奏曲を30曲弱書きました。交響曲は若い頃から書いていたのに対して弦楽四重奏は割に大きくなってから始められました。それに対して弦楽三重奏曲はバッハのフーガを編曲した作品の他にはこの曲が唯一の作品です。しかも室内楽作品の中で最も素晴らしい最高の作品です。
一般的に弦楽四重奏曲は4つの声部の調和、ハーモニーが重要視されるのにこの曲はハーモニーと言うより3人のソリスト達が自分の技量を披露するのに力点が置かれています。3つの楽器が同じパッセージを演奏しその似具合を楽しんだり違い個性を喜んだりする曲です。
昔から3人の同じ位の腕前を持ったいわゆる名人達がこの曲を演奏していますが、3人の腕前が揃わないと面白くないんです。
今日聴いて頂いた演奏は過去最高の名人が3人揃いました。ヴァイオリンは帝王ヤッシャ・ハイフェッツ、ヴィオラはウイリアム・プリムローズ、チェロがエマニュエル・フォイヤマンです。生まれ年も大体近い3人でしたが一番早く亡くなったのがフォイヤマンでした。彼はユダヤ人であった為にドイツからアメリカに渡ったのですがそこで虫垂炎に罹り手術のミスで亡くなってしまいました。そういう不幸な死が来なければもっと多くのレコードをステレオで録音出来たと惜しまれています。3つの楽器が同じパッセージを弾けば弦の長さが長く重いチェロが一番音を出すハンディキャップを持ってるのですがこの演奏ではチェロらしさを残しながらヴァイオリンよりもむしろパリッと弾いて“どうだい?”とでも言ってるようです。ハイフェッツはそれに対して“畜生!やられたな!”と言ってるようです。

1966

二曲目:1966カルテット「Lady Madonna」生演奏
先週もゲストに来てくれた1966カルテットさんが、生演奏を聴かせてくれました。
やはり近くで聴くと迫力があって、目が釘付けになってしまいました。
トークの時の和やかな雰囲気とはうってかわって、真剣な表情で音楽を奏でるお二人が素敵でしたね。
今回のオンエアではヴァイオリンとチェロのみの演奏で、こちらも聴きごたえ十分だったんですけど、カルテット4人の演奏が聴きたい方はぜひコンサートにも行ってみてくださいね。