月別アーカイブ: 2015年3月

3/22 OA楽曲とコメント

MISCHA MAISKY

ガブリエル・フォーレ作曲:チェロと管弦楽の為の“エレジー”
演奏:ミッシャ・マイスキーvc,セミオン・ヴィシュコフ指揮パリ管弦楽団
フォーレのエレジーは以前も取り上げたと思いますが、今回はオリジナル版で管弦楽の伴奏でお届けしました。
フォーレはドイツ古典派時代パッとしなかったフランス音楽に花を咲かせた1人です。時代的にはドイツロマン派よりも後なんですが(1845年生まれ)無調音楽や12音技法を取る事もなく、かと言って時代逆行でも無い中道的な音楽作りをしました。
初期の作品は美しいメロディーに溢れていますが、後年聴覚障害を起こして以後の作品は徐々に旋律が曖昧になり美しさが後退しています。反面思索的で精神性が前に出て来て居る傾向が有ります。
エレジーは初期の作品で中間部にオーケストラから先に出て来る美しいメロディーはたまりませんね~。
演奏はマイスキーですが管弦楽の伴奏のヴァージョンはあまり録音されていません。レコードでは良い演奏がいっぱい有ります。トルトリエ、ジャンドロン、カザルスがカサド以下世界中の名立たるチェリストが集まってチェロアンサンブルをこしらえそれをバックに演奏しているレコードもあります。カザルスはチェロの王様ですね。

岡田将 リスト
フランツ・リスト作曲:巡礼の年 第2年イタリアより第7曲「ダンテを読んで」ソナタ風幻想曲。
演奏:岡田 将
ピアノを弾く友人にどの作曲家の作品が技巧的に一番難しいかと聞きますと「リスト」と言う答えが帰って来ました。僕はピアノの曲はあまり勉強してなかったのでリストのピアノ曲は聴いた事が無かったですのでその時はそうかなと思っておりましたが、ラ・カンパネラやエステ荘の噴水等をきくと確かに難しそうですね。
岡田さんはひところリスト弾きと言うレッテルを貼られていました。それは多分他のピアニストでは曖昧であったり、明晰で無いところが岡田さんの演奏ではそういう誤魔化し的な曖昧さが無いのでそう言われたんじゃ無いかと思います。僕は岡田さんのバッハは素晴しいと思います。シューベルトも涙が出るほど美しいですね。今度2015年の4月17日金曜日に朝日新聞浜離宮ホールでベートーベンの夕べと言うコンサートが有るそうですが、恐らく彼のベートーベンも素晴らしいはずです。
この曲はリストが若い頃から晩年まで作曲してきた曲に旅行した時の印象を音楽にしたものを組み合わせて作った曲集の中の一つです。曲集は全部で4つ有り全体を「巡礼の年」と命名しました。第1巻を第1年とし「スイス」と名付けウイリアムテルなどに思いを馳せた曲を作りました。第2年は「イタリア」で、別に補遺として「ヴェネツィアとナポリ」を独立した一つの曲集としています。第3年にはタイトルが付けられておりません。
ソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」は第2集「イタリア」の最後を飾る大曲で演奏時間は17分前後という桁外れの作品で、それゆえ単独で取り上げられることが多いです。
冒頭に出て来る和音は三全音と呼ばれ増四度の和音で悪魔の和音と呼ばれる強烈な個性を持った和音です。

3/15 OA楽曲とコメント

ハインリヒ・シフ

エンリコ、マイナルディー作曲:日本の歌
演奏;ハインリッヒ・シフvc、サミュエル・サンダースpf.
エンリコ・マイナルディーは19世紀に生まれたイタリアのチェリストです。ドイツで活躍して多くのチェリストを育てました。ミクロシュ・ペレーニィとか、ジークフリート・パルムとかです。そして作曲も数多くやってます。大体ヴァイオリニストは余り作曲する人が少ないのにチェリストは何故か作曲する人が多いですね。カサド、ピアティゴルスキー、トルトリエ、そしてマイナルディーです。
確かマイナルディーは日本に来た事が無いはずですがこの曲を書いてます。日本に来ないでこれだけの曲を書くってやっぱり凄い事ですね。

フォーレ ロマンス

ガブリエル・フォーレ作曲:ロマンス
演奏:スティーブン・イッサーリスvc、パスカル・ドワイヨンpf.
僕の好きな曲の一つです。フォーレの円熟期の作品です。まだメロディーがくっきりと残っていますね。チェロの2番目に低いとから上がってゆく最初は何かハッキリとしない朧げなところを彷徨ってる様でも有ります。夢から醒めて起き上がって求愛してる様な感じですね。僕は。求愛は激しくなく明るいです。そして、又眠りに着くと言う感じかなと思いながらこの曲を聴いてます。

3/8 OA楽曲とコメント

ハインリヒ・シフ

フリッツ クライスラー作曲:愛の悲しみ
演奏:ハインリッヒ シフvc
クライスラーはウイーンで生まれた天才ヴァイオリニストです。7歳でウイーンの音楽アカデミーに入学し10歳で主席で卒業しています。
戦前から日本では非常に人気があって、来日時のコンサートはいつも満席だった様です。ギャラはハイフェッツよりも安いのに入場料は彼よりも高かったと言う記録が残っています。
彼も一時医者になるべく(お父さんがお医者様)勉強したり、兵役に行った後軍人になろうとしたりしていました。気の多い人ですね。
彼はレパートリーを広げる為に良く国会図書館へ行ってバロック時代の音楽の発掘をしていてそれを皆が知っていました。例えばヴィヴァルディー作曲クライスラー編曲として作品を紹介していたのですが何年も後にそれは偽作で有った事を自ら認めました。
評論家は皆仰天。
すっかりクライスラーに騙されていて、もっともらしい事を言ってたのですから。日本でもごく最近にそういう事件が有りましたね。日本だけで無くどこでも権威には弱いんですね。
しかし、クライスラーの茶目っ気と言うか、おちょくりと言うか、実に痛快ですね。
愛の悲しみは偽作で無く最初から自身の作品として発表されてましたよ。
ヴァイオリンで無く今日は素敵なハインリッヒ シフのチェロで聴いて頂きます。彼のチェロはモンタニアーナ作のスリーピング・ビューティーというチェロです。

フランク ピアノ5重奏

セザール・フランク作曲:ピアノ五重奏曲
演奏:ハイフェッツとその仲間達
vn;ヤッシャ・ハイフェッツ、イズラエル・ベーカー、va;ウイリアム・プリムローズ、vc;グレゴール・ピアティゴルスキー、pf;レナート・ペナリオ
数少ないピアノ五重奏曲の中でも完成度の高い作品と評価されています。しかし、実際演奏会では余り演奏される事は少ないですね。
演奏しているハイフェッツはヴァイオリンの王と呼ばれる20世紀最高のヴァイオリニストです。演奏スタイルは絵画的では無く彫刻的で立体的です。音色はガラスの様に冷たく鋭利です。彼は54歳かで突然引退してしまいます。20歳頃からトップアーティストとして舞台やレコードで活躍して来たのでお金は貯まる一方でもう要らないと思った事も有るでしょうが、弦楽器を弾く人間の肉体の限界点がこの位の年だそうです。完璧主義者だった彼は観客が気付かない自分の衰えが許せなかったんでしょうね。以後はロサンジェルスに引っ込んで若い者を教えたり、気の合った音楽仲間と室内楽のコンサートを開いたりしておりました。プロモーターやらレコード会社はほっときませんわねー。彼は律儀な仁義を優先する人で最初の契約したRCAから離れる事は無かったです。RCAは大分彼に儲けさして貰いましたね。
同じ仲間と言っても「公ちゃんですwith friends」とは違って世界的な人が集まって来ますね。スターの室内楽ですね。中でもプリムローズ、ピアティゴルスキーはハイフェッツと同じレベルのプレーヤーですね。

3/1 OA楽曲とコメント

藤原まり 風のとおり道

久石譲作曲: 「風の通り道」映画 「となとのトトロ」イメージソング
演奏;藤原真理
この映画はご存知スタジオジブリの映画の中の一曲です。宮崎駿のヒットアニメーションの代表作です。でも、興業的には失敗だったと聞いてびっくりしてます。これがあまりヒットしなかったので急遽次の作品「魔女の宅急便」を制作したらしいです。しかし、テレビでは大ヒット。視聴率をいつも20%う上回ってるとの事で、オートバックスMー1グランプリ並の視聴率を毎回稼いでると言う事は凄い事で、2年置きに放送する事になってるらしいです。また、トトロのキャラクターグッズも非常によく売れ癒し系と言う事なんだと思いますが。あと、ビデオも良く売れて結局儲かってるんですね。
ストーリーはなんと言う事も無く田舎に引っ越して来た姉妹ともののけ「トトロ」との交流を描いたものです。そののんびりした不思議なホンワカした感じが人気の秘密なんでしょうか。
演奏してるのは藤原真理さんです。彼女はスタジオジブリの映画の音楽を良く演奏されてます。
僕より一つ下で同じ大阪生まれです。桐朋学園で斎藤秀雄先生に習っておられました。違うのは腕前。彼女は1978年のチャイコフスキーコンクールで第2位になってるんですね。チャイコフスキーコンクールチェロ部門で入賞した人が居なかったんです。安田謙一郎さんが特別賞を過去に貰っていらっしゃるのですが。

フランク作曲チェロソナタ
セザール・フランク作曲:チェロソナタ イ長調
演奏;チェロ ヤーノシュ シュタルケル、ピアノ ギョルギュ シェベック
ベルギー生まれのフランクはパリに出て音楽の勉強をして作曲家として有名になって行った人です。元々オルガン弾きなので作品はオルガン曲が多いのですが、交響曲、室内楽にも良い作品を残しておられます。中でも、この曲は元々はヴァイオリンソナタとして作曲されたのですが余りにも美しい作品なのでピアノソナタ、フルートソナタ、チェロソナタ、ヴァイオリンとオーケストラなどに編曲されています。フランス系のヴァイオリンソナタの最高傑作ともいわれています。
彼の交響曲と同じく循環形式で書かれています。循環形式とは同じくメロディーや主題が異なる楽章で少し形を変えて使われそれで全体の統一感を出そうと言う形式です。
演奏はシュタルケルです。