月別アーカイブ: 2016年11月

11/27 OA楽曲とコメント

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J・S・バッハ作曲:無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調よりプレリュード
演奏:堤 剛vc

堤さんがミュンヘンやブダペストでのカザルスチェロコンクールで入賞してすぐにCBSソニーが専属契約していろんなレコードを録音した1つです。
その当時堤さんはインディアナポリスでシュタルケルの助手をしている頃でまさに売り出し中というところでした。
ソニーは堤さんの様々な演奏をレコードにしましたがこの曲はバッハの無伴奏チェロ組曲全集の中の一枚で確かクラシック部門のレコード大賞を取ったと思います。
彼は最近又バッハの無伴奏チェロ組曲全集をCDに録音しました。新しい方は大人の演奏というか全体にゆとりと大らかさに溢れています。それに対してこのレコードでは気負いの様なものや覇気が感じられます。

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R・シュトラウス作曲:交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」
演奏:R・ケンペ指揮、シュターツカペル・ドレスデン

子供の頃上映された「2001年宇宙の旅」の冒頭猿の様な類人猿の様なものが空中に骨を放り投げる辺りでこの曲の出だし部分が使われ、それまであまり聴かれる事の少なかったこの曲を一躍有名にしてしまいました。映画で使われた演奏はカラヤンの指揮でウイーンフィルの演奏をデッカが録音したものなんですが映画会社がデッカに使用許可を求めた時に条件として名前を隠す事を要求しました。それが、上映されるやこの曲のレコードがバカ売れしてどのレコード会社も儲けたんですが、デッカは名前を出していればほぼ独占的にカラヤンウイーンフィル盤が売れただろうに惜しい事をしましたね。

11/20 OA楽曲とコメント

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G.カサード作曲:レクイオブロス(口説き文句)
演奏:G.カサードvc、原智恵子pf

カサードはスペインのカタロニア州バルセロナ出身の巨匠と呼ばれる名チェリストです。
カサードは長い間作曲家のメンデルスゾーンの従兄弟の孫にあたる銀行家メンデルスゾーン氏の奥さんと不倫関係に有りました。ユダヤ人であったメンデルスゾーン氏は生き残りのためナチスに協力しました。それが不利に働き戦後カサードの活動にブレーキをかけました。
日本に演奏旅行した時に選んだのが原智恵子さんで、カサードの人柄に惚れ込んだ彼女は帰国した彼を追って伴侶離婚して追いかけます。そうした大恋愛を経て2人は結婚し、デュオ・カサードとして世界中を演奏し好評を博しました。
カサードはカザルスのチェロの弟子なんですが本当は作曲好きで、現存するだけでもかなりの曲を残しています。
今日の曲はレクイオブロス(口説き文句)、原智恵子さんはどんな口説き文句で落とされたんでしょうか?

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エマニュエル・セジョルネ作曲:マリンバと弦楽の為の協奏曲
演奏:塚越慎子(マリンバ)

近代に完成したマリンバは編曲じゃなくオリジナル曲はほとんど最近の作品です。
セジョルネはフランスのリモージュで生まれた作曲家でも有りマリンバ奏者です。この曲は恐らく自分で演奏する為に作曲されたと思うんですが、ルーマニアのマリンバ奏者に献呈してるんですね。憂いに満ち、ラフマニノフを彷彿とさせる第1楽章とフラメンコ風の第2楽章からなる素晴らしい曲です。

11/13 OA楽曲とコメント

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G.タルティーニ作曲:アダージョ、チェロ協奏曲より
演奏:パウ・カザルスvc

カザルスはバルセロナから海外沿いにバレンシアの方に車で40分位行った海辺のヴェンドレルと言う町で生まれました。
家は貧しくお母さんはパウの学費を捻出する為自分の髪の毛を売ったそうです。お父さんは教会のオルガニストだったようで収入はイマイチだったようです。
この辺りはカタロニア地方と言ってスペイン語では無くてカタロニア語を話し独立心が強かったのです。
第二次世界大戦の前スペインの王朝は市民革命によって倒れ共和制に移行しました。しかし、国軍を掌握していたフランコ将軍がクーデターを起こし軍事政権を打ち立てました。
カザルスはフランコに反対し音楽を通じた人脈を利用して外国から圧力をかけようと試みますが結局失敗します。
ナチスと敵対していたフランス、イギリス、アメリカなどがフランコ政権を承認しました。ナチスと反対の立場をとっていた様に見えましたが結局国家主義という点ではナチス同類だったのです。
カザルスは怒り、自分はフランコ政権を承認する国では演奏しないと宣言してスペインを出て南フランスのプラードと言う寒村に移住してしまいます。当時人気絶頂、ギャラも非常に高かったカザルスは音楽界から身を隠してしまいます。
カザルスが出て来てくれないならこっちから行こうと物凄い数のファンがプラードを訪れます。村も大混乱なので結局年に1回音楽祭を開いて来て貰うという事になったのですがホールも無いし2、3回やって、近くのもっと大きな街に音楽祭は移りました。
カザルスは名声や収入よりも自分の信念を貫いた音楽家で有りました。晩年はヴァイオリニストのアレキザンダー・シュナイダーのお世話でお母さんの母国であったプエルトリコへ移住してそこで亡くなりました。
彼の演奏には揺るぎない信念と強さが感じられます。

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伊福部昭作曲:マリンバとオーケストラの為のラウダ・コンチェルタータ
演奏:塚越慎子マリンバ

皆さん、マリンバって楽器ご存知ですか?僕も何となくは分かっていたのですが、木琴やシロフォンとの違いは分かりませんでした。塚越さんにお聞きしますと木琴とシロフォンは同じでオーケストラで使われる打楽器で音に残響があまりなく、細かい音程付きの打楽器と言う感じです。骸骨が踊る場面に使われたりしますね。
それに対してマリンバは音が柔らかく残響が長いです。木琴を改良して独奏楽器に仕上げたんですね。楽器として完成したのは最近との事です。従ってマリンバの為のオリジナル曲はどれも近代現代の作品ばかりです。
塚越さんがCDに入れられたのはゴジラで一躍有名になった伊福部昭の協奏曲です。ゴジラの音楽でも分かるように伊福部さんの作品はジャパニーズで同じ音形がしつこく何回も繰り返されます。
打楽器の側面と弦楽器のような響きを持つマリンバを独奏楽器として起用しさてどんな曲を書いたのでしょうか?

11/6 OA楽曲とコメント

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J.ブラームス作曲:ハンガリアン舞曲17番
演奏:H.v.カラヤン指揮、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団

ブラームスはハンブルグ時代にピアノの名手だった事からポピュラーからクラシックと幅広く演奏するヴァイオリ二ストから演奏旅行の仕事を貰いました。それまでブラームスはクラシック音楽を専門に勉強していたためこのヴァイオリ二ストとの邂逅は非常に彼の音楽的幅を広げるのに貢献しました。
また、ブラームスはヴァイオリ二ストが得意であったジプシー音楽も吸収しそれをこのハンガリアン舞曲として纏めました。
当時のヨーロッパには圏外からの音楽はほとんど入ってくる事が無く、ジプシーの音楽は非常に珍しい物として受け入れられました。しかし、ジプシーの演奏は良いなと思っても楽譜がないため演奏する事が出来ませんでした。ブラームスのハンガリアン舞曲は大ヒットし同時にブラームスの名声も高めたとの事です。

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F.クライスラー作曲:ラ・シャッス・エン・スタイル・デ・カトイエ
演奏:レイ・イワズミvn

今回のゲストはヴァイオリン製作者のプロイスさんでした。最近彼が取り組んでいるのは1600年から1700年代に作られた所謂名器とされている作品のコピー作りです。
ただ見た目を似せるんじゃ無く記録に残っているデータを元に似た材質の木材を探しての製作です。コピーするもとが手元に無くてよく作れるなと感心です。