月別アーカイブ: 2017年1月

1/22 OA楽曲とコメント

シューベルトの死と乙女

F.シューベルト作曲:弦楽四重奏曲「死と乙女」第2楽章
演奏:ウイーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団

シューベルトのカルテットでの最高傑作である「死と乙女」です。そのネーミングの由来である歌曲「死と乙女」を第2楽章のテーマにした変奏曲として挿入しています。シューベルトは変奏曲を沢山書いていてそのどれもが素晴らしいです。ピアノ五重奏曲「鱒」の3楽章に歌曲「鱒」を変奏曲として使っています。
ウイーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団はアントン・カンパーを第1ヴァイオリンとして長い間活躍した団体です。カンパーのウイーン風の歌い回しがたまらないと言う熱烈なファンを持っていました。しかし、このカルテットを支えていたのはチェロのフランツ・クヴァルダです。オーケストラでも、その縮小版カルテットでもチェロの役割は重要です。カルテットで僕が素晴らしい奏者だと思うのは3人。フランツ・クヴァルダ、ミッシャ・シュナイダー(ブダペストSQ)、デイヴィッド・ソイヤー(グアルネリSQ)です。この3人は本当に素晴らしいです。

メンゲルベルク

チャイコフスキー作曲:交響曲第5番 第4楽章
演奏:W.メンゲルベルク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

当時の三大名指揮者の1人、メンゲルベルクが得意にしていた曲はモーツァルトのような爽やかな古典ものでは無く粘着性溢れるチャイコフスキーです。思い切りデフォルメしてリタルランドしたりヴァイオリンにポルタメント付けたりして楽譜に忠実というよりチャイコフスキーの意図した事に忠実だったと言えます。

1/15 OA楽曲とコメント

ブダペスト

L.V.ベートーベン作曲:弦楽四重奏曲第11番セリオーソ
演奏:ブダペスト弦楽四重奏団

僕が中学生の時生まれて最初に聴いた弦楽四重奏曲がこのブダペスト弦楽四重奏団の演奏によるラズモフスキーの3番とセリオーソ裏表になったレコードです。小学校の音楽の授業で先生が運命とか田園のレコードをかけてくれてクラシック音楽良いな~と思ってた頃です。
親父がアメリカに視察旅行に行って人に頼まれて買って来たレコードがどういう訳か長い間家に有ったので「聴いてもええか?」と聞くと「ええよ」と言ってくれたので片っ端から聴きました。その中からこのブダペストのレコードは渋かったですね。ファーストヴァイオリンのロイスマンの音は決して美音じゃないけれど、何か子供心迫るものが有りました。まだ、レコードを自分で買う程の小遣いを貰ってなかったので次のレコードは買う事が出来るなかったですが、16:00頃のNHK FMを良く聴いてました。
最近上手いカルテットがどんどん出てきていますがこのブダペストのセリオーソは未だに心を揺さぶります。

ワインガルトナー

L.V.ベートーベン作曲:交響曲第九番ニ短調 第4楽章
演奏:F.ワインガルトナー指揮、ウイーンフィルハーモニー管弦楽団

初めてベートーベンの交響曲の全曲をレコードにしたのがこのワインガルトナーです。彼は当時慣習としてこう演奏するんだ、と言う事、例えばフレージングとかリタルランド等を根本から考見直し演奏し、過去作り上げられたベートーベンイメージを改めたと言う功績が有ります。
演奏は端正でスッキリとしていて物足らないと言う人もいますが、ベートーベンの正しい解釈だ思います。

1/8 OA楽曲とコメント

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L.V.ベートーベン作曲弦楽四重奏曲 第14番嬰ハ短調より
演奏:カペー弦楽四重奏団

カペーはフランスのヴァイオリンの巨匠で多くの実力のあるヴァイオリ二ストを世に出しただけでなく、自身も名人級のヴァイオリ二ストでしたがソロ活動より室内楽とりわけ弦楽四重奏を愛し、この不朽のカルテットを作りました。フランスのカルテットはメロディラインが明確な曲やフランスものを得意にしてるのが通常なのですがベートーベンが1番人気が有りました。それは、ベートーベン、特に後期の作品は縦のラインをしっかりとハーモニーとして演奏するように書かれていて、普通特にドイツ人の団体はそうするんですが、余計に構成がきっちりとし過ぎて窮屈と言うか余裕が感じられなく、つまらない演奏に成りがちなんです。
しかし、カペーは全体の構成感ががっちりとしながらも第1ヴァイオリンが割と自由に歌い縦ラインからはみ出たりしたりポルタメントが多用されたりしてます。が、それが又何ともチャーミングなんですね。
現在でも彼らの演奏は古いと感じさせません。

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C.M.F.ウエーバー作曲歌劇オイリアンテ序曲
演奏:W.フルトヴェングラー指揮ウイーン・フィルハーモニック管弦楽団

フルトヴェングラーは日本ではひと昔前まで非常に人気のあった指揮者でした。同じ曲で演奏年月がそう変わらない、同時期の演奏でも非常に違う演奏をする指揮者でした。ファンの間では同じベートーベンの運命でもオーケストラ演奏時期でどれが良いとか論争されてました。一般にはレコードのための録音より生演奏に精彩をはなつ傾向に有ります。
かれの指揮は非常に分かりにくくアンサンブルは乱れたりよくするんですが、それが迫力となって良いところも有ります。「振ると面喰らう」(ふるとめんくらう)とも言われました。彼とトスカニーニ、ワルター、メンゲルベルクと戦前の4大指揮者とも言われました。
以上

1/1 OA楽曲とコメント

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J.ハイドン作曲:弦楽四重奏曲「ひばり」より第4楽章
演奏:フロンザリーSQ

エジソンが蝋管による録音装置を発明してから音楽の世界も大きく変化しました。
フロンザリーSQの前にも素晴らしいSQが多く有ったのですが録音が無く人の評判、印象が伝えられそれによって想像するしか無かったのが演奏そのものが何年か後でも聴くことが出来るようになりました。これによって音楽はマス化しました。フロンザリーSQは丁度その頃現れたアメリカのSQでその端正な演奏は実物を聴く以前にレコードによって聴くことが出来、その聴取者が住むエリアに来演するときのチケット販売にも影響するようになりました。
演奏自体も素晴らしいものがありますがレコードの力が彼らの人気を増大させたと言っても過言では無いと思います。

L.V.ベートーベン作曲交響曲第7番イ長調
演奏:A.トスカニーニ指揮NBC交響楽団

トスカニーニはミラノスカラ座の指揮者だったのですがナチスがヨーロッパを侵食しイタリアもそういう風潮が広がって来たのを嫌がってアメリカに渡りました。スカラ座時代からすでに人気絶頂だった彼はニューヨークフィルの指揮者になりましたが他にワルターとかメンゲルベルクなども同楽団の指揮をしており、そして芸風がかなり自分と違っていることもあって必ずしも快適では無かったようです。それに目を付けたのが3大放送局の一つでsるNBCです。
演奏会もやりますが放送するための演奏をトスカニーニに求めました。その代わり彼の専属オーケストラを世界中の名人奏者達を最高の条件で集めたスーパーオーケストラを作りました。彼は暗譜が出来なくなったと言う理由で引退するまでこのオーケストラを世界最高のオーケストラとして訓練し続けました。トスカニーニが引退した後NBCはオーケストラを解散するのですが彼を尊敬する団員達は自主的にオーケストラを経営して名前をシンフォニー・オブ・ジ・エアーと変え指揮者を立てずに交響曲の演奏を行いました。
トスカニーニがミラノで亡くなった時にはイタリア政府は彼を国葬でもって称えました。
彼の演奏はこの曲特徴がよく出ていますが、曖昧なところは一切無く、爆発するエネルギー感と緊張感が全般に漲っており、聴いてる人をグイグイ音楽に引込み掴んで離さない、と言うものでした。