月別アーカイブ: 2017年4月

4/23 OA楽曲とコメント

東京カルテット

B.バルトーク作曲:弦楽四重奏曲第5番
演奏:東京カルテット

バルトークはベートーベン以後に作曲された弦楽四重奏曲の中でも最高の作品だと言う評価が有ります。しかし、聴いていて楽しくない、とか難しいと言う評価もありますね。現代に近い作品はみんなそういう傾向に有るんですが、バルトークは祖国であるハンガリーの民謡の要素を取り入れている点が他の作曲家と違います。
演奏する時に現代社会が抱える不安とか悲劇性を全面に出して歪みを押し出すか、民謡とか和声感を表現するかでスタイルが変わって来ます。
この東京カルテットの演奏は結成して大分年月が経った頃の録音なので初期のヤル気・元気がほとばしる様な演奏というより少しこなれて来た頃の演奏で角が取れた聴きやすくしかもバルトークの本質を外していない演奏になっています。

サン・サーンス 

C.サン–サーンス作曲:交響曲第3番
演奏:ポール・パレー指揮デトロイト交響曲楽団

この曲にはオルガンを使う指示が作曲家によってなされています。通常、昔のオーケストラホールにはオルガンが設置されてなく、この曲を演奏する時には大きなカトリック教会にオーケストラが引っ越しして行われます。しかし教会では客席数が取れず興行として儲からないと言う問題が有ります。それで、この曲は余り演奏される機会が有りませんでした。
パレーはこの曲を得意にしていて明快に男性的な演奏をしています。

4/16 OA楽曲とコメント

グァルネリカルテット

W.A.モーツァルト作曲:弦楽四重奏曲第15番ニ短調第1楽章
演奏:グアルネリ四重奏団

モーツァルトは600余りの作品の中で短調の曲は少なく、しかしその数少ない短調の曲はどれも心を打つ名曲ばかりです。
ステージパパであったレオポルトは彼に難解な曲は書くなと生涯言い続けたそうです。難解な曲は貴族などに人気がなく売れないという理由です。レオポルトが亡くなるまでのモーツァルトの曲は明るく単純な曲が多いのはモーツァルトが父を怖れていたか、親父の言う事っを素直に聞いていたからでしょう。レオポルトが亡くなってから彼は本当に自分が書きたい作品を書きました。
ニ短調の名曲と言えば最後の作品であるレクイエムが有ります。自分も病気になって生死を彷徨っていた時に謎の人物にレクイエムの作曲を依頼され全エネルギーを注ぎ込んで最後には力尽きて途中でなくなりました。
このモーツァルトのカルテットの中で唯一の短調の曲ですが死に向かって突き進む迫力が有りますね。
グアルネリ四重奏団は僕が最も好きなカルテットのひとつです。

クナッパーツブシュ

F.シューベルト作曲:交響曲第九番ハ長調第1楽章
演奏:ハンス・クナッパーツブシュ指揮、ウイーンフィルハーモニー管弦楽団

クナッパーツブシュという指揮者はエピソードの多い人ですね。頭の病気だったようで頭を下げると気分が悪くなるらしく演奏会でも出てきてちょっと会釈して拍手が収まるのを待たずに指揮棒を振り下ろすんです。ぶっきらぼうですが人の良いおじさんと言う感じでオーケストラのみんなから愛されいました。練習嫌いは有名で練習で固めた様な演奏よりその日の気分即興性を重んじた様です。
シューベルトの最後の交響曲を堂々と揺るぎなく演奏しています。

4/9 OA楽曲とコメント

ハリウッド

L.V.ベートーベン作曲:弦楽四重奏曲第15番イ短調
演奏:ハリウッド弦楽四重奏団

西海岸を代表するカルテットです。
クラシック音楽は東海岸の方が人気が有り、西海岸は映画音楽やポピュラー音楽の方が人気有りました。それは今も変わりませんが。
ハリウッドカルテットは4人の音色も明るく良く歌うカルテットでハーモニーよりもメロディを重視している様に感じます。
ベートーベンの後期のカルテットは前期と比べるとどの楽器パートにもほぼ均等に主導権が割り振られております。ともすると、それが横線のメロディよりも立ての揃いを重視し却ってつまらない演奏になったりする事があります。
何処までもふくよかで歌のある演奏ですね。

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L.V.ベートーベン作曲:交響曲第7番イ長調より第4楽章
演奏:フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団

ベートーベンの交響曲の傑作です。舞踏の進化と言われる曲でリズムが全曲中の要になっています。
演奏しているシカゴ交響楽団の正確で生き生きしたリズムはフリッツ・ライナーの訓練賜物です。彼は物凄い自信家でそれ故周りの人と絶えず衝突をしていますがこの演奏聴くと彼の自信は決して過信では無かった事が分かりますね。

4/2 OA楽曲とコメント

クロノス四重奏団

クロノス弦楽四重奏団 演奏
ベン・ジョンストン作曲
「アメイジング・グレイス」

アメイジンググレイスはみんな知ってるポピュラーな曲です。クラシックとポピュラーの間みたいな曲ですね。
でも、ポピュラー得意のクロノスカルテットが演奏すると現代音楽に聴こえてしまいます。
クロノスカルテットは弦楽四重奏というクラシックの真ん中の分野でポピュラーミュージックを演奏するという新しい分野に初登場した団体です。
今迄、ベートーベンとかモーツァルトとかでしか聴いたことがなかった弦楽四重奏の分野でロックやジャズ、ポピュラーミュージックを演奏したのでとても新鮮で受けたんだと思います。

クレンペラー

L.V.ベートーベン作曲 交響曲第9番合唱より第1楽章
演奏:オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団

クレンペラーは長身の指揮者でエピソードの多い人でした。脳の病気で演奏中に指揮台から落下したり、寝タバコして枕に火が移りそれを消そうとして間違ってベンジンをふりかけ火だるまになったとか、気の毒な災難に遭ってます。
しかし、晩年の彼の音楽は純粋で聴衆に媚びることもなく、遅めのテンポで堂々としています。