5/14 OA楽曲とコメント

クリーブランド

M.ラヴェル作曲:弦楽四重奏曲
演奏:クリーブランド弦楽四重奏団

カザルスが常連で出ていたマールボロ音楽祭で顔を合わせて4人で結成したカルテットです。
ブダペストSQとかジュリアードSQ等アメリカではウイーン風のファーストVnに引っ張られるような演奏から4人が均等なバランスを保つ演奏スタイルを確立しましたが、クリーブランドSQは更にアクセントとか早いテンポ設定等現代感覚に訴える演奏をして人気をはくしました。

ミュンシュ

L.V.ベートーベン作曲:レオノーレ序曲第3番
演奏:シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団

ベートーベンは唯一のオペラ「フィデリオ」のために序曲を4曲も書きました。出来上がっても暫く考えて更に良いものをという事でこんなに書いたんです。結局、現在フィデリオ序曲として演奏されるものを正式な序曲としました。不採用の3曲はそれぞれ独立した演奏会用序曲として結局フィデリオ序曲よりも演奏機会が多い様です。
ミュンシュはフランス人と言いますがアルザス地方の生まれでドイツとの国境の出身でドイツ音楽を得意にしていました。

4/30 OA楽曲とコメント

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F.シューベルト作曲:弦楽四重奏曲第14番二短調「死と乙女」第2楽章
演奏:フェルメール弦楽四重奏団

シューベルトが作曲した15曲のカルテットの最高傑作です。この曲は「死と乙女」というタイトルが付いていますがそれはこの第2楽章がやはりシューベルトが作曲した歌曲「死と乙女」の主題を元に変奏曲にしているところから名付けられました。ピアノ5重奏曲で「鱒」と名付けられた曲も歌曲から主題を頂いて変奏曲にしたものです。一つの曲を何回も使い回すのが上手ですね。シューベルトは。
でも、使い回したくなるほど綺麗なメロディですね。第2変奏はチェロが主役なんです。
フェルメール弦楽四重奏団は第1ヴァイオリンのサミュエル・アシュケナージが中心のカルテットです。彼は最初ソリストとして様々なコンクールを制覇し華々しくデビューしましたがその後突然室内楽に転向します。ソロと室内楽では音の出し方も違えばいろいろ違う点が有るんですが彼はそれを克服して見事室内楽奏者として成功しています。

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近衛秀麿作曲:ちんちん千鳥
演奏:水谷川優子vc

水谷川さんのお爺様が日本のオーケストラの生みの親というか父というか日本にまだオーケストラがいくつかしかない時にドイツに渡って指揮法を勉強して日本のオーケストラの育成に努められた日本における西洋音楽の草分け的存在です。
お爺様が作曲された曲をお孫さんが演奏する。何とも暖かく微笑ましい限りです。

4/23 OA楽曲とコメント

東京カルテット

B.バルトーク作曲:弦楽四重奏曲第5番
演奏:東京カルテット

バルトークはベートーベン以後に作曲された弦楽四重奏曲の中でも最高の作品だと言う評価が有ります。しかし、聴いていて楽しくない、とか難しいと言う評価もありますね。現代に近い作品はみんなそういう傾向に有るんですが、バルトークは祖国であるハンガリーの民謡の要素を取り入れている点が他の作曲家と違います。
演奏する時に現代社会が抱える不安とか悲劇性を全面に出して歪みを押し出すか、民謡とか和声感を表現するかでスタイルが変わって来ます。
この東京カルテットの演奏は結成して大分年月が経った頃の録音なので初期のヤル気・元気がほとばしる様な演奏というより少しこなれて来た頃の演奏で角が取れた聴きやすくしかもバルトークの本質を外していない演奏になっています。

サン・サーンス 

C.サン–サーンス作曲:交響曲第3番
演奏:ポール・パレー指揮デトロイト交響曲楽団

この曲にはオルガンを使う指示が作曲家によってなされています。通常、昔のオーケストラホールにはオルガンが設置されてなく、この曲を演奏する時には大きなカトリック教会にオーケストラが引っ越しして行われます。しかし教会では客席数が取れず興行として儲からないと言う問題が有ります。それで、この曲は余り演奏される機会が有りませんでした。
パレーはこの曲を得意にしていて明快に男性的な演奏をしています。

4/16 OA楽曲とコメント

グァルネリカルテット

W.A.モーツァルト作曲:弦楽四重奏曲第15番ニ短調第1楽章
演奏:グアルネリ四重奏団

モーツァルトは600余りの作品の中で短調の曲は少なく、しかしその数少ない短調の曲はどれも心を打つ名曲ばかりです。
ステージパパであったレオポルトは彼に難解な曲は書くなと生涯言い続けたそうです。難解な曲は貴族などに人気がなく売れないという理由です。レオポルトが亡くなるまでのモーツァルトの曲は明るく単純な曲が多いのはモーツァルトが父を怖れていたか、親父の言う事っを素直に聞いていたからでしょう。レオポルトが亡くなってから彼は本当に自分が書きたい作品を書きました。
ニ短調の名曲と言えば最後の作品であるレクイエムが有ります。自分も病気になって生死を彷徨っていた時に謎の人物にレクイエムの作曲を依頼され全エネルギーを注ぎ込んで最後には力尽きて途中でなくなりました。
このモーツァルトのカルテットの中で唯一の短調の曲ですが死に向かって突き進む迫力が有りますね。
グアルネリ四重奏団は僕が最も好きなカルテットのひとつです。

クナッパーツブシュ

F.シューベルト作曲:交響曲第九番ハ長調第1楽章
演奏:ハンス・クナッパーツブシュ指揮、ウイーンフィルハーモニー管弦楽団

クナッパーツブシュという指揮者はエピソードの多い人ですね。頭の病気だったようで頭を下げると気分が悪くなるらしく演奏会でも出てきてちょっと会釈して拍手が収まるのを待たずに指揮棒を振り下ろすんです。ぶっきらぼうですが人の良いおじさんと言う感じでオーケストラのみんなから愛されいました。練習嫌いは有名で練習で固めた様な演奏よりその日の気分即興性を重んじた様です。
シューベルトの最後の交響曲を堂々と揺るぎなく演奏しています。

4/9 OA楽曲とコメント

ハリウッド

L.V.ベートーベン作曲:弦楽四重奏曲第15番イ短調
演奏:ハリウッド弦楽四重奏団

西海岸を代表するカルテットです。
クラシック音楽は東海岸の方が人気が有り、西海岸は映画音楽やポピュラー音楽の方が人気有りました。それは今も変わりませんが。
ハリウッドカルテットは4人の音色も明るく良く歌うカルテットでハーモニーよりもメロディを重視している様に感じます。
ベートーベンの後期のカルテットは前期と比べるとどの楽器パートにもほぼ均等に主導権が割り振られております。ともすると、それが横線のメロディよりも立ての揃いを重視し却ってつまらない演奏になったりする事があります。
何処までもふくよかで歌のある演奏ですね。

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L.V.ベートーベン作曲:交響曲第7番イ長調より第4楽章
演奏:フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団

ベートーベンの交響曲の傑作です。舞踏の進化と言われる曲でリズムが全曲中の要になっています。
演奏しているシカゴ交響楽団の正確で生き生きしたリズムはフリッツ・ライナーの訓練賜物です。彼は物凄い自信家でそれ故周りの人と絶えず衝突をしていますがこの演奏聴くと彼の自信は決して過信では無かった事が分かりますね。

4/2 OA楽曲とコメント

クロノス四重奏団

クロノス弦楽四重奏団 演奏
ベン・ジョンストン作曲
「アメイジング・グレイス」

アメイジンググレイスはみんな知ってるポピュラーな曲です。クラシックとポピュラーの間みたいな曲ですね。
でも、ポピュラー得意のクロノスカルテットが演奏すると現代音楽に聴こえてしまいます。
クロノスカルテットは弦楽四重奏というクラシックの真ん中の分野でポピュラーミュージックを演奏するという新しい分野に初登場した団体です。
今迄、ベートーベンとかモーツァルトとかでしか聴いたことがなかった弦楽四重奏の分野でロックやジャズ、ポピュラーミュージックを演奏したのでとても新鮮で受けたんだと思います。

クレンペラー

L.V.ベートーベン作曲 交響曲第9番合唱より第1楽章
演奏:オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団

クレンペラーは長身の指揮者でエピソードの多い人でした。脳の病気で演奏中に指揮台から落下したり、寝タバコして枕に火が移りそれを消そうとして間違ってベンジンをふりかけ火だるまになったとか、気の毒な災難に遭ってます。
しかし、晩年の彼の音楽は純粋で聴衆に媚びることもなく、遅めのテンポで堂々としています。

3/26 OA楽曲

ヴェーグ

ベートーヴェン作曲
弦楽四重奏曲 第11番 セリオーソ 4楽章
ヴェーグ四重奏団 演奏

アンセルメ

エルネスト・アンセルメ指揮
ボロディン作曲
オペラ イーゴリ公から「ダッタン人の踊り」
スイス ロマンド管弦楽団

3/19 OA楽曲とコメント

アマデウスカルテット

J.ブラームス作曲:弦楽6重奏曲 第1番 第2楽章
演奏:アマデウスSQ+アルノビッツva+プリースvc

僕が若い頃恋人達という映画が作られました。その映画の中でこの曲が使われて一時有名になりました。
エリア・カザンの映画 「ブラームスはお好き」で使われたのが同じブラームスの交響曲第3番の第3楽章です。何故かブラームスの曲は映画によく使われますね~。きっと、甘さと渋さが程よくミックスされているからででょうか?
イギリスの弦楽四重奏団であるアマデウスSQは4人中3人がウイーン生まれという事からかウイーン所縁の作曲家を得意にしています。新しい感覚でウイーン風の伝統を音楽にしています。

ストコフスキー

J.S.バッハ作曲L.ストコフスキー編曲:トッカータとフーガニ短調

ストコフスキーはバッハの色んな作品をオーケストラに編曲しています。オルガン曲というのがカトリック教会の様にオルガンが無いと演奏出来ません。それをオーケストラに編曲すると普通の演奏会場で聴くことが出来ます。そして、弦・管色んな楽器の音色が混じりあって音楽が色彩的になります。彼の編曲お陰であまり聴かれる機会の無いバッハ作品が随分大衆化されました。音の魔術師ストコフスキーならではの芸術です。

3/12 OA楽曲とコメント

ファインアーツ

ジャン・マルティノン作曲:弦楽四重奏曲第3番
演奏:ファイン・アーツ弦楽四重奏団

ファイン・アーツ弦楽四重奏団はシカゴ交響楽団の奏者等で結成されたカルテットでラジオ放送で弦楽四重奏曲を流すためにスタジオで演奏していました。ホールのような会場で観客を集めた中でのコンサートはやらなかったんです。
アメリカも農村が潤ってきましたが人口の少ない所では音楽会などは開かれません。農村の人々がクラシック音楽を聴くには何時間も車に乗って出掛けねばなりませんでした。それを解消してくれたのがラジオ放送で大変な好評を得ました。
丁度、NBCがトスカニーニと契約して世界一のオーケストラを用意してスタジオ録音をラジオ放送開始した後でメディアの力は凄いという事が音楽界でも認知されました。後年カラヤンが映像を音楽にくっつけて市場拡大しましたがその先駆けでした。

ロジンスキー

D.ショスタコーヴィチ作曲:交響曲第5番4楽章
演奏:アルトゥール・ロジンスキー指揮ロンドンフィルハーモニー管弦楽団

ショスタコーヴィチがスターリンの音楽文化介入を受け入れ政治方針に沿った形の中に彼の心情や批判を分からないように盛り込んだのがこの交響曲で、最も有名な作品です。
第4楽章は悲しみや苦しみを乗り越えての凱旋のシーンであると言われており多くの指揮者は威風堂々とあまり急がないように演奏しますが、ロジンスキーは疾風の如く突撃して行きます。
ロジンスキーはとても感情の激しい人で怒りん坊でした。オーケストラの練習でも彼が思った通りの演奏がなされないとボロカスに怒ります。本人も自覚していて団員に殺されるかも知れないと思っていつもピストルを忍ばせて指揮したという話は有名です。
彼が才能を見出し育てたが、自分のポジションを奪おうとしてると誤解して首を絞めたというバーンスタインも4楽章を疾風怒涛の如くの演奏をレコードではしております。やはりバーンスタインにとっては模範の先生だったんですね。